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倦怠感/だるい


コロナ(COVID-19)感染拡大でより注目された「倦怠感(だるさ)」

慢性炎症も良く聞く言葉となりました。


その原因とは?

日常的にだるさ、疲れを感じている方など、興味のある方はご覧ください。


 

<筆者>

中村 圭樹(なかむら よしき)

長野県伊那北高等学校・新潟医療福祉大学卒業

保有資格:理学療法士免許

 外来リハビリ中心の整形外科クリニックに6年所属。ゴルフ・サッカーなどのスポーツトレーナーとして選手のサポート、アスレティックリハにも関わる。その後、回復期リハビリ病棟に8年勤務。不調がどこに行っても変わらない、病気・怪我になる前の未病・予防にも力を入れたいと考え、施術院FiSTを開院。

 



【目次】

  • 倦怠感とは?

  • 倦怠感の原因

  • 評価方法

  • 要因

  • 対処法




倦怠感とは?

 

「だるい」「身体が重い」「疲れやすい」などの感覚です。


疲れるというのは何か運動、仕事をすれば感じるものですが、休養を十分にとることで一定の期間で回復するのが通常です。


回復までの時間や質は、人それぞれ異なります。


それでも今まで同じ仕事をして、同じように休養をとっているのにも関わらず、回復しない。

大した仕事をしていないのに疲れを感じる、疲れやすい。

このような疲労には何か要因があるはずです。


疲れている状態であれば、常に眠気がある、やる気が起きない、判断力の低下、気分の落ち込みなどの症状があり、微熱、痛みなども感じられる方がいらっしゃいます。


特に痛みにおいては “ 頭痛 ” を訴える方が多くいます。




倦怠感の原因

 酸化と炎症、環境


  ■ 食事

  ■ 睡眠不足、睡眠の質の低下

  ■ 生活習慣

  ■ 運動不足/過多

  ■ ウィルス感染



食事


十分なエネルギー不足が原因の一つですが、現在の日本社会においてエネルギーが足りないという方はほとんど出会いません。

むしろエネルギー過多な方が圧倒的に多い印象です。


また、酸化作用の強いものを多く摂取されていることも要因です。

食品添加物や揚げ物(脂質)などの取りすぎです。

活性酸素やフリーラジカルが発生してしまい、炎症を起こします。



睡眠不足・睡眠の質の低下


脳内ではグリア細胞が環境整備を行っています。その環境では睡眠中、脳脊髄液が流れやすくなりゴミの回収をしています。睡眠不足、睡眠の質が低下するとこの回収が不十分となり、朝の倦怠感として出ます。


睡眠問題の原因の一つとして、スマートフォンなどの不適切な使用が挙げられます。


スマートフォンによる光刺激により、松果体から分泌されるメラトニンというホルモンを抑制してしまいます。

メラトニンは睡眠ホルモンと呼ばれ、自然な眠りを誘導する作用があります。


最近の若者に疲労の訴えが強いといった情報を目にします。

その要因の一つとしてスマートフォンの使い方(寝る前に使う)が指摘されています。


年齢関係なく上記の作用は起きますので、すべての方に寝る前は、スマートフォンや光刺激の強いものは避けた方が無難と考えられます。


このメラトニンは年齢を重ねるとともに分泌量が減ることも知られています。



生活習慣

 

・タバコの煙は大量のフリーラジカルを含み、抗酸化物質であるビタミンCを破壊する。

・過剰なアルコール摂取は肝臓の分解能を超えるとフリーラジカル・活性酸素が発生する。


嗜好品は精神的なストレス緩和になる方もいらっしゃると思いますが、度を過ぎれば身体的な負荷によるデメリットの方が大きくなります。


抗酸化物質と酸化ストレスのバランスとして酸化ストレスが上回ってしまうと、生体の膜や組織を構成する分子がフリーラジカル・活性酸素に攻撃されてダメージ・損傷を受けます。


活性酸素は「炎症反応を惹起」します。

酸化ストレスが多い状態が続けば、炎症も続くということです。

炎症自体が悪いわけではなく、“ 不必要・過剰な ” 炎症が体に害を与えるのです。



運動不足/過多


エネルギーはとっているのにも関わらず、消費されなければ(運動などをしないなど)、余ったエネルギーは体内に貯蔵されていきます。つまり肥満になっていくということです。

脂肪が多くなっていく過程で、新たな血管が多く作られ、貯蔵のための道が常に切り開かれていきます。

この血管があらたに作られるという反応が「炎症」の反応と同じであり、肥満とは慢性炎症の状態なのです。


一方運動過多とは、スポーツ選手で耳にする「オーバートレーニング症候群」が有名です。

過剰なトレーニングに対して回復が間に合わない状況が続いた結果、数か月以上の長期にわたり競技パフォーマンス低下を生じる現象で、抑うつ状態などの気分の変調も伴うことがあります。

競技生活中で持続的なコンディション不良と様々な症状が生じ、鑑別診断をした上で診断に至ります。


競技現場において説明が難しく、かつ特定不能な持続的パフォーマンス低下がおきます。

疲労、自律神経の乱れ、ホルモン分泌の乱れ、免疫低下など様々な症状が持続的に起こります。



ウィルス感染


新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)について(厚生労働省HP)


2023年、厚生労働省の研究班が東京・品川区、大阪府八尾市、それに札幌市の5歳から79歳の住民およそ19万5000人を対象に行い、およそ3割にあたる5万3000人余りから回答を得ました。


およそ1~2割の方々がコロナ感染後2か月以上にわたって、倦怠感、強い疲労感、しびれ感、微熱、呼吸苦、頭痛、食欲不振などの症状をかかえていました。


このような後遺症を「long COVID」と言われ、このメカニズムとして “ 慢性炎症 ” が注目を浴びたわけです。


海外の研究では肥満の方々は後遺症の発症リスクが5倍になるとのものもありました。


特に新型コロナの後遺症としての倦怠感は多くの方に経験があるかもしれませんが、新型コロナワクチン接種後に同様の症状を訴える方にも出会っています。




評価方法


パフォーマンス・ステイタス(Performance Status)

 慢性疲労症候群患者として診断基準を満たすのは、PS値で表して3以上。


※診断基準を超えたからダメというものではありません。他の精神疾患、糖尿病、甲状腺機能障害に由来する倦怠感は慢性疲労症候群とは分けられていますので、診断名を断定するものではありません。あくまで指標としての活用をおすすめします。


PS値           疲労・倦怠の程度

0         倦怠感がなく平常の社会生活ができ、制限を受けることなく行動できる。

1         通常の社会生活ができ、労働も可能であるが、疲労を感ずるときがしばしばある。

2         通常の社会生活はでき、労働も可能であるが、全身倦怠感のため、しばしば休息が必要である。

3         全身倦怠感のため、月に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。

4         全身倦怠感のため、週に数日は社会生活や労働ができず、自宅にて休息が必要である。

5         通常の社会生活や労働は困難である。軽作業は可能であるが、週のうち数日は自宅にて休息が必要である。

6         調子のよい日には軽作業は可能であるが、週のうち50%以上は自宅にて休息している。

7         身の回りのことはでき、介助も不要であるが、通常の社会生活や軽労働は不可能である。

8         身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助がいり、日中の50%以上は就床している。

9         身の回りのこともできず、常に介助がいり、終日就床を必要としている。



他疾患との鑑別も必要ですので、うつ病、線維筋痛症、睡眠障害、薬物依存症、感染症、甲状腺機能低下症、糖尿病、重度の肥満、多発性硬化症など多くの類似した症状を呈する疾患があります。




要因


これまでの長い説明はありましたが、全てがバラバラで関連がないわけではありません。

大きな要因としてくくれば…


 理想的な体の状態にない


本来、人間にはホメオスタシス(恒常性)があります。

※ホメオスタシス:ヒトの体は外界の環境や、内部の変化に対して常に生命維持に必要な生理的な機能を正常に保とうとする機構を備えています。(厚労省HPより)


これが生まれた時からすでに乱れている場合もあるかもしれませんが、多くの場合は後天的に崩れていくことが大多数かと思います。


正常に保てなくなれば、それは「異常」ですから、不都合な兆候・症状がでてきます。


ご自身の調整能力よりも上回る体に害のある事象があれば、徐々に病気へと向かっていくはずです。


タバコを吸っている人が、全員肺がんになるわけでもなく、タバコを吸っていない人でも肺がんになる人はいらっしゃることを考えれば、個人差があり、要因は一つに絞り切れないというのも理解ができるかと思います。


また、近年では地球温暖化による平均気温の上昇、PM2.5(0.1)、黄砂による化学物質、長野県では山菜から基準値を超えるセシウムが検出されるなどの放射性物質、携帯電話の周波数が5Gとなるなど、環境は変わっていきます。


環境要因は自分自身ではどうにもできないものも多くありますので、少しでもその影響を受けないような工夫ぐらいしかできません。




対処法


生活習慣によってもたらせるものは、各々見直しができます。


  • 酸化作用の強い食品は避ける

  • 抗酸化作用のある食品を取り入れる

  • タバコ、酒、砂糖を多く含んだ食品の量を減らす

  • 運動をとりいれる

などなど


理屈的にはわかるけれども、なかなかそれを取り組むのは難しいです。

筆者も同じようにやめられないものも多くあります。


自身で取り組み切れない場合は、外部の力を借りるというのが一つの考え方になるかと思います。


  • ジムに入会して、週1回は必ず運動をしよう

  • ヨガ教室に通おう

  • 整体にいく           など



当院もそのように使っていただければと思います。


身体の状態が良くなれば、本来皆さんが持っている自己回復力=ホメオスタシスが高められるはずです。

倦怠感/だるさが長引いている方はご相談ください。




施術院FiST(フィスト)

長野県上伊那郡辰野町大字平出1550-2

TEL 090-8326-2151

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